2009年10月05日

赤いティーシャツのムッシュー、ちょっと家具と空

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先日買った本棚。
うちは家具は、しばらく前からアンティークのものしか買っておらず、うちがアンティークにこだわるのは、やはりモダンなものにはなかなかない材質のよさや、つくりこまれたデザイン、そして、万が一不要になったときも、またアンティーク店に持っていけばわりと高い価格で売ることができるから。モダンなものはそうはいきません。
本棚もやはりアンティーク店で探していたのですが、なかなか気に入ったのを見つけるには時間がかかります。
けっきょく、ふつうの家具の店で買ってしまいました。
これでやっとダンボールの中の本を片づけられます。

大きいのと小さいの、ふたつあって、いろいろなふうに置けるので、いろいろためしてみましたが、


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組みあわせたときの真ん中の曲線が気に入ったので、こういうふうになりました。
ここはいちおうわたしの部屋で、以前やはりアンティークで買った机なんかが置いてあります。


まぁ、引っ越して一ヶ月半、なっかなかなかなか家のなかがきれいに片づきません。


そうそう、実は、今の家に引っ越してきた日にびっくりしたことがありました。
引っ越し会社のトラックと、わたしたちの乗った車が家の前に到着するや否や、誰かが向こうから歩いてきたのです。そして、

「きみたちは泥棒じゃないね?」

開口一番、わたしたちにそう問うた。
8月の暑い日、赤いティーシャツに膝までの短パン、素足という格好で、頭髪の真っ白な男性。
いえいえ、わたしたちは泥棒ではありません。この家を正真正銘きちんと契約して買って、今日越してきた者です。
すると白髪のムッシューはいたずらっぽくニッと笑って、このへんは夏のバカンス時泥棒が多いからね、と説明した。どうやらこの男性は近所に住むフランス人のようだ、わたしたちが思っていると、

「僕はね、きみの家の鍵を持ってるよ。」

は??うちの鍵を持っている?!
セバさんと言葉をなくしていると、男性はまたうれしそうに笑って、前に住んでいた住人が旅行にいっているときに、この家の犬に餌をやっていた、自分は20年ここに住んでいる、とつけ加えた。

なるほど・・・。それにしても、引っ越してそうそう、不動産会社からも前の家主からも鍵をぜんぶもらったと思っていたのにびっくりである。
セバさんは不安に思ったのか、「あとでエージェンシーに、あの人のことを聞きに行こう。」と、いぶかしげ。
でもそのムッシューは身振り手振りが大きく、その大きな瞳はくるくる動いてなんだか人好きのする感じがしたし、わたしはなんとなくだいじょうぶじゃないかな、ここは田舎だし、そういうこともきっとあるんだ、と思っていた。
「きっと、あの人はここに長く住んでいるし、この街のボスみたいな感じなんじゃないの?」というようにセバさんをなだめておいた。

次の日。
わたしたちが買い物に行くべく、車に乗りこんでいると、うちの門から斜め左のほうにある黒い門から人影がみえた!
道路はわりと交通量の多く、幅は広い。目をこらしてみてみると、昨日の赤いティーシャツにショートパンツ(というかキュロットというか)の白髪ムッシューらしき。
向こうもこちらに気づいたようで、片手をあげた。わたしも、ボンジュール!と、道路を隔てて相手に聞こえるように大きな声をだして挨拶した。

そのまた翌日。
セバさんは会社へ旅だっていき、わたしは引っ越しの荷物の整理やらなにやらでてんてこ舞い。夕方、はっ、庭のトマトをとらなきゃ、と庭へ続く小途を歩いていき、トマトの熟し具合をチェックしていると、誰かがうちの前の道を歩いている。
はっと見ると、赤いティーシャツが見えた。こちらで買い物のときによく使う、口の広い買い物かごを提げている。
「ムッシュー!」と呼ぶと、白髪でやはり短パン姿のムッシューは寄ってきた。
ヴ・ザレ・ビアン?−お元気ですか? と話しかけると、
ウィウィ、エ・ヴ?−調子いいですよ。あなたは?
荷物の整理ははかどっているか、今日は暑いですね、などと話をしたあと、ムッシューの提げている買い物かごがふと気になり、買い物に行ってきたのか尋ねてみると、
「いや、いまきみの家に隣人の庭になっているミラベルをとってきたんだ。」と、かごいっぱいのミラベルと梅の実をわたしに見せた。
「食べてみる?」とくれたミラベルをひとつ食べてみると、甘酸っぱくておいしい。
セ・ボン。−おいしい。と言うと、
「もちろんおいしいよ。農薬を使ってないからね」とムッシューは自慢げ。
聞くと、お隣は今バカンスに行っていて、庭になっている果物を好きなだけとっていい、と言われたそうだ。
わたしは、お返しになにもあげるものがないので、手のひらにあまるぐらいの、いまとったばかりのプチ・トマトを、これ入りますか??とおそるおそる聞いてみると、ムッシューは笑って、いやいいよ、だいじょうぶ、とやんわりことわられた。

「お引き留めしてごめんなさい」とわたしが言うと、
「いやいやぜんぜん。僕は仕事してないからね。時間はたっぷりある」とまたいたずらっぽく笑い、別れの挨拶をして黒い門のなかにかごを提げてはいっていった。わたしもトマトを持って引き上げた。
半時間ほどあと、家のチャイムがピンポ〜ン♪と鳴る。誰かと思ってでてみると、あら、また赤いティーシャツのムッシュー。
オレンジ色の、使いこまれた台所用のかごいっぱいに、ミラベルと梅の実を持ってきてくれたのだった。


・・うう、長くなってしまったので、こんどまた続きを書きたいと思います。


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家の窓からは、毎日きれいな夕陽が見えます。
朝陽もなのですが、雲がないときよりも、雲のあるときのほうがきれいな気がして、なんだかつい写真を撮りたくなってしまうんですよね。


続き: 『カンパーニュでは木が落ちる!』はこちら

posted by ナオカ at 19:01| Comment(12) | TrackBack(0) | フランス田舎生活あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
久しぶり、Yukikoです。
いろいろあってMIXIあけられてなかったけど、久々にMIXIあけたので飛んできました。
とても素敵な空の写真。お引越ししたのね。

去年の秋のパリをとても懐かしく思います。あのときは本当にありがとう。ますます素敵な女性になっていたナオカちゃんにエネルギーを頂いた気持ちだったよ。日本に来ることがあったら連絡ください。

寒くなるけど体に気をつけてね!
Posted by Yukiko at 2009年10月06日 11:26
なんだこのこの世のものとは思えないほど美しすぎる空は!!!

一緒に窓の外眺めたいなー
Posted by beba at 2009年10月06日 15:39
お話の続きが気になります。
ステキな生活されているんですね。
景色が素晴らしくてうっとりしています。
こんな素晴らしい景色が身近にあるなんて。
Posted by マリー at 2009年10月06日 22:52
ナオカさま。先日はお電話いただいてありがとうございます。
素敵な夕暮れですね。
信じられないほど美しいです。
それにしてもいいご近所さんですね。
こういうおじさん大好きです。
Posted by kozue at 2009年10月07日 04:04
▽Yukikoちゃん
Yukikoちゃん、お久しぶり。コメントをありがとう。
もうあれから一年になるんだね。時の経つのははやいなー。
東京も寒くなってくると思うので体に気をつけて!わたしも気をつけます。ありがとう。
Posted by ▽Yukikoちゃん at 2009年10月08日 16:22
▽bebaへ
雲の流れの感じで空っていろいろ表情を変えるよね。ずいぶん前から空の写真を撮るのは好きだったんだけど、空の微妙な色あいを写真で表現するのはとてもむずかしいよね。
自然の色にはやはりかなわないなーと写真をみるとがっくりしてしまうことが多かったなー。
Posted by ▽bebaへ at 2009年10月08日 16:26
▽マリーさん
こんにちは。お話の続き、折りをみてまた書かせてくださいね。
この家に引っ越してきてから、夕暮れの空ってこんなんだったっけ?と驚くことがけっこうあるのですが、以前は街のなかに住んでいたから、建物に隠れて夕陽がみえなかったのか、それともここはもっと田舎で大気汚染がすくないからなのか、はたまた気候なのか?考えだすと、頭が「???」になってしまいます。
パリとはまたぜんぜんちがいますが、わたしもフランスの田舎に風景は大好きです。牛もふくめて。笑
Posted by ▽マリーさん at 2009年10月08日 16:30
▽kozueちゃん
こんにちは、コメントをありがとう。
このあいだは久しぶりに話せて楽しかったね。
同じフランスのカンパーニュといっても、空や景色はかわってくるんだろうな。kozueちゃんの住んでいるところはどんな感じなんだろう。
こういうおじさん、kozueちゃんたちのまわりにいそう(?!)だね。笑
これからほんとに秋になるね。風邪には気をつけてね!
Posted by ▽kozueちゃん at 2009年10月08日 16:33
とっても、とっても、お久しぶりです。ナオカさん。
なんだかほっとする素敵なナオカさんらしい文章ですね。
リラちゃんはのびのび暮らしているようですね。
赤いシャツのムッシュー、目に浮かぶようです。
きれいな夕暮れ、だんだん日が暮れるのが早くなってきましたね。
フランスはこちらより日暮れが早いですよね?

先日のわたしへのコメント、ありがとうございました。
さびしい気持ちは人間のわたしたちだけでなく、仲間のネコたちも同じだと感じています。
思いだしても涙が出ない日が来るにはもう少しかかりそうです。

ナオカさんのお引っ越し後の記事はこれからゆっくり読ませていただきますね。
Posted by rosso at 2009年10月09日 00:02
▽rossoさん
こんにちは。
ほんとにごぶさたしてしまっていてすいません(-人-)
rossoさん、おこころ案じます。そんなときに、こうしてわたしのブログに来て、わざわざ読んでくださったこと、ありがとうございます。
ほんと、日々速足で太陽の顔をだしている時間がみじかくなっていっている気がします。うちは今週暖房をいれてみました。rossoさんのところももしかしてそろそろなのかな?
Posted by ▽rossoさん at 2009年10月09日 05:09
おひさしぶりです。
う〜ん、このおじさんとても愛嬌あるけど、気になる行動ですね。このお話の展開はどうなるのだろう??????
空の色がとてもロマンチックでいいなあー。こっちは台風がやっとさって、秋晴れというか、十五夜が終わり、おぼろ月でなんとなく、秋を感じる夜空です。
Posted by kurin at 2009年10月09日 13:43
▽kurinさん
おぼろ月、いいですね。わたしも見たいな。
そうそう、日本に台風がきていたとき、こちらもちょうど何日か大雨が降り、めずらしいのですが空がピカピカ光ったりしてました。
すごい遠いようなのですが、聞くと、わりと日本と天候が連動していることがあって、たまに不思議に思ってしまいます。
秋の夜長は、kurinさんはなにをしたいですか?わたしは月並みに、読書かなぁ。
Posted by ▽kurinさん at 2009年10月12日 17:13
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