
先日マルシェで買った
デコレーション用の花はこんな感じです。
心配していたルフトハンザ航空のストライキもだいじょうぶそうで、
なんとか週末旅行に行けそうです。
もう少しで出かけるのですが、その前にちょっとだけ。
今日うちの近くにあるスーパーに行ったときのこと。
そこは比較的小さく、あまり品揃えも豊富ではないのでふだんはあまり利用しません。
が、猫のトイレの砂や水なんか、重いものを買うには近いのでたまに行きます。
小さい店なので、レジは3つしかなく、通常はひとつしかスタッフはおりません。
時刻はお昼時、わたしの前には何人もの人が、水だけ、とか、サンドイッチだけ、持って並んでいます。ちなみにわたしは猫のトイレの砂と、コーヒーのパックふたつ。
今日のレジは、くりくりしたブロンド、丸い眼鏡をかけた中肉中背のマダム。実はこのマダム、ちょっと苦手なのですが、他のレジには誰もいないので選択肢はない。
マダムは手際よく処理していきます。あっという間に、わたしの前の黒人の若者の番になった!
マダムが、彼が差し出したビール一本をレジに通すと、彼は「シェーバーの刃をちょうだい」と言いました。
マダムは聞き取れなかったようで聞き返します。「は?」
彼はもう一度、シェーバーの刃のメーカーを言います。マダムは今度はわかったようで、レジ近くにある、お酒の瓶などが入っている鍵のかかったウィンドウに近づいて取りに行きました。
それをレジに通し、「5ユーロ1サンチーム」と言うと、その若者は5ユーロ札を渡しました。マダムは、「1サンチームないの?」と聞くと若者は「ない」。するとマダムは深〜いため息をついた。そしてわたしの目をじっと見て少し顔をゆがめ、椅子から立ち上がり、ジーンズのポケットからゆっくりと鍵の束や、メモの切れ端などを取り出した。
・・気の小さいわたしは、こういう場にいるだけでもう、ちょっとどきどき。
ポケットの一番底から取り出したものは、小銭。ほ、よかった、危険なものじゃなくて…。
マダムは取り出した小銭を調べ、その中からゆっくりと1サンチームをつまんだ。そしてオーバーな身振りで、若者からもらった5ユーロ札とともにそれをレジ箱に入れました。
「もう行っていいの?」と若者。マダムは、いいわよ、と若者のほうを見ずに返事をしたあと、ガラスの自動ドアを通り過ぎる若者に、聞こえるか聞こえないかの声で、いや聞こえるだろう、「もう来なくていいからね、○○××…」というようなことをつぶやいています。
そしてまたわたしの顔を無言で見ました。その目は「まったくね」と言っているようです。
1サンチーム、円で1.5円ほど、自腹で出してあげたんだろうけど、その捨てゼリフも相当…。わたしだったらそんなこと言われたらもうこの店来れない。おっと、その前に1サンチーム足りないってこともしないか。
でも、このマダム、わたしはもともと苦手なのです。
というのも…
このスーパーは、表示されている金額とバーコードを通したときの金額が異なっていることが少なからずあるので、わたしはいつも買ったあとレシートを見るようにしています。
他のスタッフは違うのですが、なぜかこのマダムはレシートをいつもくれない。客に渡さないので、印字されたレシートがいつもびろ〜んと機械から垂れさがってます。
以前、会計が終わったあとに「レシートをくれ」と自己申告したら、返答なし。わたしの次に並んでいたお客が、聞こえなかったのと思い、「レシートくださいって言ってますよ」と言うと、「わかってるわよ」みたいな感じ。そこにぶら〜んとしているのになかなかくれず、わたしはどうしたらいいものかじっとそこに突っ立ってました。
次のお客さんが終わったあとに、やっとぴりっと切ってくれたので手を出すと、マダムはわたしを横目で見て「5サンチーム」と言う。
ぇえ?金取るの??と目を丸くすると、「そう言えば次から欲しいって言わないでしょ」と、してやったり、の顔で笑っています。わたしとレジに並んだいたお客さんは、どういう顔をしていいかわからず、そこは不思議な沈黙に満たされていた…
それはさておき、わたしの猫の砂とコーヒーふたつを機械に通し、お会計。
「5.89ユーロです」マダムが言う。小銭がいっぱいあったので、5ユーロ札一枚と50サンチームの硬貨一枚、10サンチーム硬貨4枚出す。しめて5.90ユーロ。と、マダムはそれをレジの箱のなかにしまい、そのままわたしとは反対のほうを向いてじっとしています。
わたしのお釣り…。もちろんレシートもくれない。
しようがないのでまたそのまま立っていると彼女は、10秒後ぐらいにやっとこちらを振りむき、
「1サンチームがない〜」と困った顔で言いました。
わたしははっとして、「じゃいいですよ」と言った。
マダムはさらにわたしの反対側を向いて、誰か別のスタッフを呼ぼうとしているかのよう。
「ほんとにいいですから」とわたしが言うと、彼女は恥ずかしそうに口元を曲げ、こちらを見た。
そして、いつもは自分からボンジュールもさよならも言わない彼女が今日は自分から「さよなら」と口にし、口を曲げたまま黙ってわたしにレシートを手渡してくれた…。
これでさっきの1サンチーム、ちゃらですね、とわたしは思わず言いかけたが、下手に口出しをすると傷つくかもしれないので黙って店を出ました。(ほんとはなんてフランス語で言えばいいかわからなかったんだけど)

今日お隣の国に持ち込もうと思っているチーズは
ちゃんと昨日別のスーパーで買いましたよ♪
税関さんにばれませんように…
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